その1
踏み込み温床のお話
 だいたい1月の終わりから2月のはじめ頃になると、自給的有機農業で野菜を育てている農家なら誰もが魅せられたであろう、腐葉土の醗酵熱を利用した「踏み込み温床(オンショウ)」というものを作ります。コレは竹とワラ(人によっては鉄パイプだったり古い畳だったり材料はいろいろです。身近にあるものを利用するのがいいですね。)で作った枠の中に、落ち葉や米ぬか、鶏糞などを水を加えながらギュウギュウと踏み込んで、それが醗酵する熱を利用して春の苗を保温するものです。踏み込む材料や水分の量によって醗酵熱が高すぎたり低すぎたりすると、苗が焼けてしまったり霜でやられてしまいますが、これはカンと経験に頼るしかありません。上手にできると、30度の醗酵熱を一ヶ月以上維持して、春の苗は寒い夜も快適に過ごすことができます。電気も石油も灯油も使わない、永続的、循環的なステキな有機農業の知恵です。また、この腐葉土は1年後にはボロボロに分解して、適度な養分をもった最高の腐葉土として、そのまま苗を育てる床土(トコツチ)になります。
まずは踏み込み温床の枠を作ります
1.爽菜農園は家の周りに生えている竹と、秋に刈って取っておいた稲ワラで枠を作ります。枠の大きさは、育てる苗の量や、夜この上にかけるビニールや布団の大きさ、苗用のハウスの大きさなどにあわせて効率的なサイズにしましょう。 2.竹で作った枠に、ワラを縛っていきます。このやり方もひとそれぞれで、竹を2本渡してその間にワラや畳を詰めていったり、爽菜農園はワラを紐で縛っていきますが、ワラだけで芸術品のように編みこんでいく人もいます。  爽菜農園は2年に一度、苗用の小さなビニールハウスのビニールを張り替えます。この張り替えた古いビニールはまた、ほとんど捨てずに有効利用します。
 だいたい1月の終わりから2月のはじめ頃になると、自給的有機農業で野菜を育てている農家なら誰もが魅せられたであろう、腐葉土の醗酵熱を利用した「踏み込み温床(オンショウ)」というものを作ります。コレは竹とワラ(人によっては鉄パイプだったり古い畳だったり材料はいろいろです。身近にあるものを利用するのがいいですね。)で作った枠の中に、落ち葉や米ぬか、鶏糞などを水を加えながらギュウギュウと踏み込んで、それが醗酵する熱を利用して春の苗を保温するものです。踏み込む材料や水分の量によって醗酵熱が高すぎたり低すぎたりすると、苗が焼けてしまったり霜でやられてしまいますが、これはカンと経験に頼るしかありません。上手にできると、30度の醗酵熱を一ヶ月以上維持して、春の苗は寒い夜も快適に過ごすことができます。電気も石油も灯油も使わない、永続的、循環的なステキな有機農業の知恵です。また、この腐葉土は1年後にはボロボロに分解して、適度な養分をもった最高の腐葉土として、そのまま苗を育てる床土(トコツチ)になります。
次に山で落ち葉を集めてきます
1.まずは畑の近くの里山に入り、篠竹などの下草を刈ります。本当は夏の間に刈っておいたほうがいいんですが、、、。この里山は時々落ち葉集めしているのでまだ下草もそれほどなく、綺麗な山です。なので、どこからかやってくる人たちが入ってきて、キノコを採ったりカブトムシを採ったり、もしくはちょっと通りすがりにかもしれませんが、ゴミを捨てていきます。 2.そして熊手で落ち葉を集めます。雪のちらつく寒〜い日でも汗ばむくらい良い運動になります。また、あんまり掃除機で吸ったように綺麗に集めてしまうと山の樹達の栄養がなくなってしまうので、そこそこに残しながら集めます。少しだけ地面際の良く分解した腐葉土も一緒にもらってくるとその土地の微生物である土着菌も混じっているので、温床の醗酵がよく進みます。 3.あちこちに落ち葉の山を作った後は、軽トラックで入って行き、どんどん載せていきます。人の手が入って綺麗になっている里山というのは、原木を切り出したり、落ち葉を集めたりする為に、無いようでちゃんとリヤカーや軽トラックが入れるくらいの道がなんとなくあるのです。軽トラックが入る道を考えながら、その道沿いに落ち葉を集めて山を作っておきます。 4.落ち葉というのはフワフワしていますから、集めても集めても、軽トラックに載せてギュウと踏み込むとペシャンコになってしまい、なかなか軽トラック山盛りにするのは大変です。丸一日集めてやっと山盛りになるくらいです。集めてきた落ち葉は、とりあえず庭に山にしておきます。子供たちの格好の遊び場所です♪
落ち葉集めのおまけ
 山の落ち葉の下には、こんなにたくさんドングリが芽を出しています。この腐葉土が植物を育てる知恵をそのまま野菜の苗を育てる方法に使うのが踏み込み温床です。  落ち葉の間にはたくさんゴミが落ちています。この自然豊な山で癒される代わりにゴミを捨てていくというのが、信じられません。落ち葉集めしながら、ゴミ集めもしなければなりません。  皮を切り取られた可愛そうな山桜の樹です。桜の樹の皮は染色に使うととても綺麗な桜色が出るそうですが、切り取った人はそのあとの寒そうな桜の樹のことなんて考えていないのでしょうかね。  「桜切るバカ梅切らぬバカ」、といいますが、桜は自分で必要でなくなった枝を落とすのでしょうか? 山桜の樹の周りには結構細い枝がたくさん落ちています。ありがたくコレをもらってきて、燻製に使わせていただきます。
いよいよ温床を踏み込みます
1.一番下にはワラを細かく切ったものが薄く敷いてあります。その上に、まず一段目は落ち葉を入れます。コンテナや肥料袋で量って、一回に入れる材料の量を決めておきます。今年は1段につきコンテナにギュッと詰めた落ち葉4コンテナでやってみました。 2.次にその上に鶏糞を撒きます。先日ニワトリ小屋から取り出して肥料袋に入れておいた鶏糞です。醗酵にムラが出ないように、全体に均一に撒きます。だいたい1段につき肥料袋半分くらい撒いてみました。 3.次は米ぬかです。爽菜農園はお米の生産量は少なく、米ぬかはあまり無いので、知り合いの有機農家さんからもらってきたものです。これも均一に撒きます。子供たちもお手伝い! 4.そして水をかけながら軽く全体を足でかき回し、そのあとギュウギュウと踏み込みます。足踏み行進のように何度も踏み込みます。苗用のビニールハウスは小さいですが、日中はとても暖かく、コレをやっていると汗をかいてきます。
5.上の1〜4を10回から15回くらい、高さが30〜40センチになるまで繰り返しやります。踏んでも踏んでも落ち葉は沈むので、なかなか高くならずに、なれない頃は次の日足が筋肉痛になるくらい大変でしたが、なれると半日くらいでできるようになったかな。上に載っているのは、夜に保温のために蓋をする、網戸にビニールをはったものです。 6.2、3日すると醗酵して温度が上がってきます。落ち葉の水分や鶏糞の水分、養分などは毎年違いますから、踏み込む量や水分はカンと経験で調整し、温度が30度で落ち着けば成功です! 一週間後くらいに温度が落ち着いたら、いよいよ種蒔きをします。  爽菜農園が借りて住んでいる家に、使わない網戸がたくさんあったので、これに古いビニールハウスのビニールを切って貼り付け、温床の夜の保温蓋にしています。 苗用のビニールハウスの屋根に2年使っていたビニールです。網戸4枚分を切って使うと、ほとんど捨てずに有効利用できます。
〒321-3406            
栃木県芳賀郡市貝町塩田976
        小野寺 徹・幸絵
電話・ファックス 0285-68-5333
  e-mail jaiko@sage.ocn.ne.jp
inserted by FC2 system